updated 2018-08-09
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糸島・暖炉の家

家族の団らんをやさしく包む
ぽかぽか暖かい家

 

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施主のオーダー:暖かな家
家族構成:夫婦+子供4人+祖父
延床面積:154㎡
間取り:5LDK(洋室4、和室1)
総工費:(古屋解体も含め)約3,000万円
竣工年月:2016.6月
※記事の情報は、2016年11月時点のものです。
 
 
 
藤波和彦さん一家は、小学生から幼稚園児まで、娘4人の賑やかな大家族。おじいちゃんも一緒に、元の実家を改築した家で暮らしている。
 
かつてここには、築90年は経過していた藤波家の母屋があり、家族全員で暮らしていたが、改修や改築をその都度行って拡張した家は、決して住みやすいとは言えなかった。東向きに建っていたことから、部屋には日が当たらず、冬は底冷えのする寒さ。おまけにトイレまで長く続く床はギシギシときしみ、娘たちが怖がって行きたがらないという始末。“いつかは建て替えよう”と思っていたご主人の和彦さん、4人目の夏子ちゃんが生まれたことをきっかけに一念発起した。
 
しかし和彦さんは、人と同じものが嫌いな、コダワリ派。住宅展示場やメーカーのモデルハウスなどを比較検討するものの、なかなかピンと来るものがなかったという。そんな時、ある人の紹介で棟生工務店の吉富社長と出会った。
「親方(吉富社長)と話をして、建てた家をいくつか見せてもらって、“コレだ”と思いましたね。デザイン力があって、でも過剰ではなくて。自分の趣味にぴったりでした」(和彦さん)
この家で、和彦さんがもっともこだわったのは、「暖かくて、光熱費などのコストがかからない」という点。糸島の平野に吹きすさぶ厳しい風と寒さから逃れ、家族全員がほっと安心できる家にしたかった。吉富社長は、薪ストーブの設置を前提にプランニングをし、何度も打ち合わせを重ね、2016年6月に竣工に至った。
 
 
 

ストーブと床と天井
適切な素材選びで暖かさを保つ 

まずパッと目を引くのは、真っ白な外壁。通常のパネル外壁とは異なる、漆喰仕上げだ。この家は、内壁も基本的にはクロスを一切張らず、漆喰で仕上げている。そのため、職人さんがひと手間かけた、手作業ならではの味わいが出る。また、漆喰の壁は透湿性が高く、室内の湿温度を快適に保つことができる。木造の家は家全体が呼吸するため、その呼吸を妨げないのだ。
 
 
玄関に入ると、右脇にはシューズルームが。娘が4人、今後育っていくことを考えれば、あってもあり過ぎることはない靴入れ。現在はさながら学校の下駄箱のように、小さな靴がびっしりと並んでいた。

 
 
そして、玄関を抜けると約16帖のリビング。奥様は当初、もっと広いリビングを希望していたが、将来のことも考えて1階に和室を設けることを優先した。床面積はさほど広くなくても、開放感のある吹き抜けがあるため、広々とした印象。そして、パッと目に飛び込んでくるのが薪ストーブだ。

「初めは予定してなかったんですが、親方と打ち合わせをする時いつもそばにあって、すっかり惚れ込んでしまいました。暖かさの質がエアコンとは全然違って、部屋全体にやさしく広がっていきます。薪の準備に手間はかかりますけど、今はそれも楽しみながらやっていますね」(和彦さん)

この薪ストーブは、オーストラリア製の最新式。下段でパンやピザが焼けるため、料理好きの奥様にも嬉しい。
 
 
床材は、ナチュラルな質感を活かした無塗装のナラ材を、オイルで仕上げたもの。基本的にはメンテナンスもフリーだ。天井と2階の床はすべて杉。杉は柔らかく、暖かさを保ちやすい特徴がある。薪ストーブで暖めた空気を、空間全体で逃しにくい設計になっている。実際に、冬の光熱費は前の家と比較して、一ヶ月に約10000円も下がったという。暖かいだけでなく、ランニングコストも抑えられた家なのだ。

 
 
 
 

家のどこにいても
家族の存在を感じられる

リビングの奥は、キッチンスペース。ここは、和彦さんと奥様が特に気に入っている場所だ。細長く採られた窓からは自然光が入り、料理の手をふと休めた時、庭で遊ぶ子供たちの姿も見える。システムキッチンは、天板に特殊な素材が使われ、撥水性が高くて拭き掃除もラク。吉富社長がこの商品に惚れ込み、メーカーと信頼関係を築いて、特別に取り扱えるようにしてもらったという。
「僕は、家全体のイメージに対するこだわりはあったんですが、使う部材一つひとつに対して知識があるわけではなく、あくまで素人。そんな時、親方が使い勝手のよいものを提案してくれて、助かりました」(和彦さん)
 
 
吉富社長の提案は、他にもある。例えば、階段を上ってすぐに確保された広い踊り場スペースと、備え付けのデスク。これは、勉強机を買ってもそこでは勉強したがらない子供たちが多いと知った親方が考えた、子供が自然に集えるスペースだ。

 
 
また、各部屋には十分な広さを確保したウォークインクローゼットも。これも、家族構成を考慮して、広さが決められている。また西向きの部屋には、強い西日を避けるため、あえて小さな窓が取り付けていた。家の随所に、吉富社長がこれまで培ってきた経験が、生かされている。

「自分も建てるごとに、ちょっとづつですが進化しているので、数年前ではこの家は完成させられなかったと思います。その家族にとってのベストを、毎回尽くしていきたいですね」(吉富社長)
 
和彦さんも、この家の出来にはとても満足しているという。
「自分でもこれ以上ないくらいに、気に入っています。住んでみて、この家の良さを実感していますね。何といっても、薪ストーブの暖かさが嬉しくて。リビングにみんなが集まって、笑顔の絶えない今の状態は、思い描いていた家族の理想系ですね」(和彦さん)
 
この家のどこにいても、子供たちのにぎやかな声が聞こえる。ポカポカと家全体を暖めるストーブのように、家族の存在を常にどこかに感じて、ホッとできる。そんな家で育つ子供たちがどんな成長を見せてくれるのか、これからが楽しみだ。

(取材・文 佐藤 渉)